情報漏洩の事故事例とセキュリティ対策サービスの比較

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SCS評価制度の要求事項4-4-1「情報機器、OS及びソフトウェアの安全な構成」とは:許可したソフトだけ、USBの自動実行オフ、設定変更の承認

この記事のまとめ

要求事項4-4-1は、パソコン・サーバ・スマートデバイスの設定を、安全な状態にして保つ項目で、★3から求められます。★3は3つで、許可していないソフトを消すか勝手に入れられないようにすること、外部記録媒体の自動実行・自動再生を無効にすること、サーバとネットワーク機器の設定変更を申請・承認制にすることです。

4-4-1は何を求めているか:評価基準6項目の中身

要求事項4-4-1の原文は、「情報機器、OS及びソフトウェアの安全な構成を確立し、維持すること。」の1文です。何をすれば満たしたことになるかは、6つの評価基準に分けて書かれています( ★3・★4 要求事項・評価基準 、経済産業省・IPA、2026年3月27日版)。

★3の段階から求められるのは3項目で、★4で3項目が加わります。内容を要約すると次のとおりです。

番号

★

何を決める項目か

評価基準の内容(要約)

4-4-1-1

★3

許可したソフトだけを使う

パソコン、サーバ、スマートデバイス(スマートフォンなど)で、利用を許可していないソフトをすべて削除または無効にするか、許可したソフト以外を自由にインストールできないようにする

4-4-1-2

★3

自動実行の無効化

外部記録媒体を使う端末で、自動実行(auto-run)または自動再生(auto-play)(挿しただけでプログラムが動く機能)を無効にする

4-4-1-3

★3

設定変更の承認

サーバとネットワーク機器(ルータなど)の設定変更を、申請・承認制にする

4-4-1-4

★4

不要なサービスの無効化

パソコンとサーバで、不要なサービス(裏で動く機能)とプロトコル(通信の取り決め)を無効にする

4-4-1-5

★4

初期のユーザID

パソコンとサーバで使われている初期設定のユーザIDの利用をやめるか、ログインに多要素認証(パスワードに加えて別の方法でも本人を確かめる仕組み)などの強い認証を使う

4-4-1-6

★4

標準構成

利用するOSとソフトウェアについて、標準の構成・設定のルールを定める

大分類「攻撃等の防御」の中分類「プラットフォームセキュリティ」に含まれます。★3と★4の違い、取引先に何を確認するかは SCS評価制度とは にまとめています。

最初にやること

  1. 業務で使うソフトの許可リストを作る
  2. USBメモリを使うパソコンの自動実行・自動再生を無効にする
  3. サーバとルータの設定変更を、申請・承認制にする

この項目で用意するもの(★3)

4-4-1で用意するものは、ソフトの許可リスト、端末の設定、承認の記録の3つです。

  • 一覧:利用を許可するソフトの一覧、または勝手にインストールできない設定(4-4-1-1(許可したソフトだけを使う))
  • 設定:外部記録媒体を使う端末の、自動実行・自動再生の無効化(4-4-1-2(自動実行の無効化))
  • 記録:サーバとネットワーク機器の設定変更の申請書と承認(4-4-1-3(設定変更の承認))

落とし穴1:「許可していないソフト」は、2つの方法のどちらかで防ぐ

4-4-1-1(許可したソフトだけを使う)は、許可していないソフトを削除・無効にするか、許可したソフト以外を自由にインストールできないようにするか、どちらかを求めています。

前者は、入っているソフトを点検して消す方法です。後者は、一般のユーザの権限ではインストールできない設定にする方法です。どちらを選んでも、「何を許可するか」を決めた一覧は必要になります(編集部の読み方)。

パソコンとサーバに入っているソフトの把握は、別の要求事項3-1-1(情報機器、OS及びソフトウェアに関する情報の把握)です。詳しくは 3-1-1の記事 にあります。管理者権限を絞る話は 4-1-2の記事 にあります。

落とし穴2:自動実行の無効化は、外部記録媒体の利用禁止ではない

4-4-1-2(自動実行の無効化)が求めるのは、外部記録媒体(USBメモリなど)を使う端末で、挿したときに自動でプログラムが動く設定を無効にすることです。対象は、外部記録媒体を使う端末です。

外部記録媒体の利用そのものを制限するのは、別の要求事項4-1-9(可搬媒体の制限)で、★4から求められます。★3では、使う場合に、挿しただけでは動かない状態にしておきます。設定の場所は、OSの種類と版で違います。管理しているOSの公式の手順で確認します。

落とし穴3:設定変更の承認は、サーバとネットワーク機器が対象

4-4-1-3(設定変更の承認)の対象は、サーバとネットワーク機器です。パソコンの設定変更は含まれません。

設定の誤りが事故につながった例があります。 ファーストリテイリング は、委託先のネットワーク設定ミスにより、不正アクセスを受けたと公表しています。変更の内容と理由を、申請・承認の記録に残しておけば、誰がいつ何を変えたかをさかのぼれます(編集部の読み方)。

トヨタ自動車 の事案は、クラウド環境の設定の誤りです。クラウドの設定は、4-4-1-3の文言(サーバ、ネットワーク機器)には書かれていません。クラウドの設定変更も同じ流れにするかは、自社で決めます(編集部の読み方)。

進め方(30人規模の記入例)

編集部の記入例です。ソフト名と担当者は、自社のものに置き換えます。

  1. 業務で使うソフトを洗い出し、許可リストを作る
  2. 一般の従業員のパソコンでは、ソフトをインストールできない設定にする。必要なときは、総務担当に申請する
  3. USBメモリを使うパソコンで、自動実行・自動再生を無効にする。設定した日を記録する
  4. サーバとルータの設定を変えるときは、申請書に変更の内容、理由、実施日を書き、総務部長が承認する

★4で加わること

  • 4-4-1-4(不要なサービスの無効化):パソコンとサーバで、不要なサービスとプロトコルを無効にする
  • 4-4-1-5(初期のユーザID):初期設定のユーザIDの利用をやめるか、ログインに多要素認証などの強い認証を使う
  • 4-4-1-6(標準構成):利用するOSとソフトウェアの標準の構成・設定のルールを定める

よくある質問

許可していないソフトは、すべて消さなければなりませんか?
消す(削除・無効にする)方法のほかに、許可したソフト以外を自由にインストールできないようにする方法でも満たせます(4-4-1-1)。
USBメモリの利用を禁止する必要はありますか?
4-4-1-2(自動実行の無効化)が求めるのは、自動実行・自動再生の無効化です。外部記録媒体の利用の制限は、別の要求事項4-1-9(可搬媒体の制限)で、★4から求められます。
パソコンの設定変更も、申請・承認制にしますか?
4-4-1-3(設定変更の承認)が対象にしているのは、サーバとネットワーク機器の設定変更です。
不要なサービスの無効化や、標準構成の決定は★3で必要ですか?
いいえ。どちらも★4で加わる項目です(4-4-1-4、4-4-1-6)。

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出典

この記事について

ITセキュリティの窓編集部(運営:ヒバチ株式会社)が、公表資料をもとに作成しています。誤りに気づいた場合は修正し、更新日を記載します。

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