情報漏洩の事故事例とセキュリティ対策サービスの比較

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SCS評価制度の要求事項1-2-1「セキュリティ推進活動部門」とは:役員と担当部署の役割・連絡先を決め、年1回点検する

この記事のまとめ

要求事項1-2-1は、セキュリティを担当する部署と役員を決め、責任と権限を割り当てる項目です。★3では、統括する役員と担当部署の役割・責任、連絡先リストを定め、その平時の体制を年1回以上点検することを求めています。★4では、経営層が参加して経営判断ができる体制(情報セキュリティ委員会など)の設置が加わります。

1-2-1は何を求めているか:評価基準4項目の中身

要求事項1-2-1の原文は、「セキュリティ推進活動を担当する部署、役員及び従業員を決定し、責任及び権限を割り当てること。」の1文です。何をすれば満たしたことになるかは、4つの評価基準に分けて書かれています( ★3・★4 要求事項・評価基準 、経済産業省・IPA、2026年3月27日版)。

★3で求められるのは1-2-1-1から1-2-1-3までの3項目で、1-2-1-4は★4で加わります。内容を要約すると次のとおりです。

番号

段階

何を決める項目か

評価基準の内容(要約)

1-2-1-1

★3

役員と担当部署の役割

セキュリティを統括する役員(CISO=最高情報セキュリティ責任者を置く会社ならCISO)と、セキュリティ担当部署の役割・責任を定める

1-2-1-2

★3

平時の連絡先リスト

平時のセキュリティ推進活動に必要な役員と担当部署の連絡先リストを定める

1-2-1-3

★3

平時の体制の点検(年1回以上)

1-2-1-1と1-2-1-2で定めた平時の体制を、年1回以上点検する

1-2-1-4

★4

経営判断ができる体制

セキュリティリスクが経営に重大な影響を及ぼすことを前提に、経営層が参加する情報セキュリティ委員会等、経営判断ができる体制を設置する

大分類「ガバナンスの整備」の中分類「役割、責任、権限」に含まれます。★3と★4の違い、取引先に何を確認するかは SCS評価制度とは にまとめています。

この項目で用意するもの(★3)

1-2-1で用意するものは、文書・一覧・記録の3つです。

  • 文書:セキュリティを統括する役員と、セキュリティ担当部署の役割・責任(1-2-1-1)
  • 一覧:役員と担当部署の連絡先リスト。平時の連絡用(1-2-1-2)
  • 記録:年1回以上、この体制を点検した日と結果(1-2-1-3)

大きな組織図は要りません。誰が統括し、どの部署が担当し、どう連絡を取るかが1枚にまとまっていれば、評価基準の3項目に対応できます(編集部の整理)。

落とし穴1:専任の部署や担当者は求められていない

兼務の担当者でも、1-2-1は満たせます。

評価基準の4項目に、専任の部署や専任の担当者を求める文言はありません。求められているのは、統括する役員と担当部署を決め、役割・責任を文書にすることです(1-2-1-1(役員と担当部署の役割))。

30人ほどの会社なら、総務部の2名が兼務で担当し、社長が統括する、という形でも足ります(編集部の読み方)。大事なのは、担当が決まっていて、文書に残っていることです。

落とし穴2:CISOがいなくても、統括する役員は決める

CISO(最高情報セキュリティ責任者)を置いていない会社でも、統括する役員は必要です。

評価基準でCISOは「置く会社ならCISO」という例として出てくるだけで、置くことは求められていません。一方で、セキュリティを統括する役員を決めることは、1-2-1-1(役員と担当部署の役割)の中身そのものです。

小さな会社では社長や総務担当の役員が統括するのが現実的です。役職名にこだわらず、誰が最終判断をするかを書きます。

落とし穴3:点検するのは「平時の体制」。事故のときの体制は別の項目

1-2-1で毎年点検するのは、ふだんの体制です。事故が起きたときの体制は、別の要求事項で点検します。

1-2-1-3(平時の体制の点検)が対象にしているのは、1-2-1-1の役割と1-2-1-2の連絡先リストです。インシデント(情報漏洩などの事故)が起きたときの連絡先や役割の点検は、 要求事項6-1-1 の6-1-1-4(インシデント時の体制の点検)で、同じく年1回以上求められます。

2つは中身が重なるので、同じ日にまとめて点検し、記録を分けて残すと手間が減ります(編集部の整理)。

進め方(30人規模の記入例)

編集部の記入例です。数字や名称は、自社で決めます。

  1. 統括する役員を決める(例:社長)
  2. セキュリティ担当部署を決める(例:総務部。兼務2名)
  3. 役割と責任を1枚に書く(例:統括は最終判断と取引先への報告、担当部署はルールの整備と社内の相談窓口)
  4. 連絡先リストを作る(氏名、部署、携帯電話、代理の人)
  5. 毎年4月に体制と連絡先を見直し、日付を記録する

★4で加わること

★4では、経営層が加わって判断する場が求められます。

1-2-1-4(経営判断ができる体制)は、セキュリティリスクが経営に重大な影響を及ぼすことを前提に、情報セキュリティ委員会などの体制を置くことを求めています。

実際の例として、顧客情報の不正持ち出しを公表した NTT西日本グループ は、再発防止の取り組みの中で、セキュリティ・アドバイザリーボードとセキュリティトラスト委員会を開いていると報告しています。

よくある質問

CISOを置いていない会社は、どうすればよいですか?
CISOは例として書かれています。置いていない場合も、セキュリティを統括する役員と担当部署を決め、その役割・責任を定めます(1-2-1-1)。
セキュリティの専任の部署や担当者が必要ですか?
1-2-1の評価基準に、専任を求める文言はありません。担当する部署と役員を決め、役割・責任と連絡先を定めることが求められています。
体制の点検は、年に何回必要ですか?
平時の体制(役員と担当部署の役割・責任、連絡先リスト)を、年1回以上点検します(1-2-1-3)。インシデント発生時の体制の点検は、要求事項6-1-1の6-1-1-4で、同じく年1回以上です。
★4で何が加わりますか?
経営層が参加する情報セキュリティ委員会などの、経営判断ができる体制の設置です(1-2-1-4)。

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出典

この記事について

ITセキュリティの窓編集部(運営:ヒバチ株式会社)が、公表資料をもとに作成しています。誤りに気づいた場合は修正し、更新日を記載します。

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