情報漏洩の事故事例とセキュリティ対策サービスの比較

運営:ヒバチ株式会社

掲載事業者数9社

事故DB掲載46件

無料で一括見積もり

SCS評価制度の要求事項4-3-4「適切なバックアップ」とは:決めておく3つのことと、遠隔地バックアップの対象

この記事のまとめ

要求事項4-3-4は、データのバックアップを取り、復元できるようにしておく項目で、★3の段階から求められます。評価基準は3項目で、取得対象・頻度・保管期間を決めてバックアップを取ること、重要な機密情報は遠隔地にも取ること、バックアップ対象ごとにリストア(復元)手順書を整えることです。頻度や保管期間の数字は公式の評価基準に書かれておらず、復元できるかの確認は★4の別の項目(7-1-1-2)で求められます。

4-3-4は何を求めているか:評価基準3項目の中身

要求事項4-3-4の原文は、「適切なバックアップを行うこと。」の1文です。何をすれば満たしたことになるかは、3つの評価基準に分けて書かれています( ★3・★4 要求事項・評価基準 、経済産業省・IPA、2026年3月27日版)。

3項目とも★3の段階から求められ、★4で増える項目はありません。内容を要約すると次のとおりです。

番号

段階

何を決める項目か

評価基準の内容(要約)

4-3-4-1

★3

対象・頻度・保管期間を決めて取得

取得対象、取得頻度、保管期間を定めて、自社で取り扱うデータのバックアップを取得する

4-3-4-2

★3

重要な機密情報の遠隔地保管

重要な機密情報については、4-3-4-1のバックアップに加えて、遠隔地バックアップ(別の拠点やクラウドなど、離れた場所への保管)を実施する

4-3-4-3

★3

リストア手順書

バックアップ対象ごとに、リストア(バックアップからデータを戻すこと)手順書を整備する

大分類「攻撃等の防御」の中分類「データセキュリティ」に含まれます。★3と★4の違い、取引先に何を確認するかは SCS評価制度とは にまとめています。

この項目で用意するもの(★3)

4-3-4で用意するものは、決めごと・取得の設定・手順書の3つです。

  • 文書:バックアップの取得対象、頻度、保管期間(4-3-4-1)
  • 設定:決めたとおりに取得し、重要な機密情報は遠隔地(別の拠点やクラウドなど離れた場所)にも保管する(4-3-4-1、4-3-4-2)
  • 文書:バックアップ対象ごとのリストア(バックアップからデータを戻すこと)手順書(4-3-4-3)

落とし穴1:頻度と保管期間の数字は、評価基準にない

毎日取るか週1回にするかは、自社で決めてかまいません。

4-3-4-1(対象・頻度・保管期間を決めて取得)は、取得対象、頻度、保管期間を「定めて」取得することを求めていますが、毎日・週1回、何日分といった数字は書かれていません。

決めるときの目安は、何日分のデータを失ったら業務が回らなくなるかです。受注や会計のように毎日変わるデータは、頻度を高くします(編集部の整理)。

落とし穴2:遠隔地バックアップは、重要な機密情報だけ

すべてのデータを別の場所に保管しなくても、4-3-4-2は満たせます。

4-3-4-2(重要な機密情報の遠隔地保管)が遠隔地バックアップを求めているのは、重要な機密情報についてだけです。どのくらい離れていればよいかの距離も、評価基準には書かれていません。

社内のサーバと同じネットワークにあるバックアップは、ランサムウェア(データを暗号化して身代金を求める攻撃)で一緒に暗号化されるおそれがあります。離れた場所に置くのは、そのためです(編集部の整理)。

落とし穴3:手順書があっても、戻すのに時間はかかる

★3で求められるのは手順書の整備までで、実際に戻せるかのテストは★4です。

4-3-4-3(リストア手順書)が求めているのは、対象ごとの手順書の「整備」です。手順書どおりに、目標の時間内に復元できるかの確認は、★4の要求事項7-1-1(7-1-1-2(目標復旧時間内の復元の確認))で求められます。

とはいえ、戻すのには時間がかかります。 つるぎ町立半田病院 は2021年10月31日にランサムウェアで電子カルテが使えなくなり、通常診療の再開は2022年1月4日でした。手順書を作ったら、一度は戻す練習をしておくと安心です(編集部の整理)。

進め方(30人規模の記入例)

編集部の記入例です。頻度や保管期間の数字は例で、評価基準の指定ではありません。

  1. 取得対象を決める(例:基幹システムのデータ、共有サーバーのファイル、メールデータ)
  2. 対象ごとに頻度と保管期間を決めて文書にする(例:毎日1回、30日分)
  3. 重要な機密情報(例:設計図面、取引先情報)は、別の拠点またはクラウドにも保管する
  4. リストア手順書を対象ごとに1枚作る(誰が、どの順で、どこから戻すか)

よくある質問

バックアップはどのくらいの頻度で取ればよいですか?
公式の評価基準に、具体的な頻度の指定はありません。取得対象、取得頻度、保管期間を自社で定めたうえで、その内容どおりにバックアップを取ることが求められています(4-3-4-1)。
遠隔地バックアップは、すべてのデータに必要ですか?
いいえ。遠隔地バックアップが求められているのは、重要な機密情報についてです(4-3-4-2)。通常のバックアップ(4-3-4-1)に加えて実施します。
遠隔地とは、どのくらい離れた場所のことですか?
評価基準には、距離や場所の指定は書かれていません。
復元テストは必要ですか?
★3の4-3-4-3が求めているのは、バックアップ対象ごとのリストア手順書の整備です。手順書どおりに目標復旧時間内で復元できることの確認は、★4の7-1-1-2で求められます。

SCS評価制度の一括見積もり(無料)

条件に合う事業者(最大3社)の見積もり・資料を、まとめて依頼できます。

一括見積もりを依頼する

SCS評価制度の準備を頼める先を比べる

出典

この記事について

ITセキュリティの窓編集部(運営:ヒバチ株式会社)が、公表資料をもとに作成しています。誤りに気づいた場合は修正し、更新日を記載します。

セキュリティ対策の一括見積もり(無料)